この記事はこんな方におすすめ!
- 細菌とウイルスの違いがわからない方
- それぞれの代表的な病気を知りたい方
- 風邪に抗生物質が効くか知りたい方



細菌とウイルスとは?
細菌とウイルスというと、どちらも病気の原因になるというイメージがあると思います。
ただ、どこが違うか説明できますか?
細菌とウイルスとは、全く違うものですのでこの際にきっちり分けて覚えておきましょう!

細菌
細菌は、細胞核を持たない原核生物という種類の生物になります。
基本的に、生物は細胞核と呼ばれる核がある「真核生物」、細胞核を持たない「原核生物」に分けられます。
簡単に説明すると原核生物は核酸と呼ばれる遺伝情報を持っているところが、細胞内にそのまま存在する生物です。
つまり、原核生物という名前からもわかるように、細菌は生物の仲間です。
また細菌は、糖などの栄養や水、適切な環境があれば、自ら成長や増殖することができます。
ウイルス
ウイルスは、細菌とは違い自分の細胞を持っていません。
細胞を持っていないため、生物学の教科書などではウイルスは非生物である とされているものもあります(諸説あります)。
さらに、ウイルスは自分の細胞を持たないため、他の宿主となる動物の細胞に入り込むことでしか増殖できません。
また、大きさも細菌の50分の1ほどの大きさで、とても小さいです。


それぞれの代表的な種類、病気は?
細菌
細菌には、乳酸飲料などの製造に使われるような役に立つ種類もいれば、病気や食中毒の原因になる種類もいます。
例えば、黄色ブドウ球菌やカンピロバクター、O157などは食中毒を起こす細菌として知られています。
また、結核菌や大腸菌は、結核や膀胱炎の原因となることがあります。
ウイルス
ウイルスの代表的な種類には、インフルエンザウイルスやヘルペスウイルス、HIVなどがあります。
ヘルペスウイルスは口などにできるヘルペス、HIVはAIDSの原因となるウイルスです。

そういえば風邪の時に抗生物質が効かないという話を聞いたことがあるのですがどうなんですか?

風邪には抗生物質が効かない!?
風邪とは、正式名称が「風邪症候群」という、鼻や喉の急性の炎症の総称です。
症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、たん、発熱などが起きます。
その風邪症候群に抗生物質が効くのかという話なのですが、
実は、風邪は、80~90%の場合ウイルスが粘膜から感染して炎症を起こすことで症状がおきます。
そして、抗生物質は細菌に効果がある薬です。
勘のいい方はお気づきの通り、細菌とウイルスの構造や増殖方法は、全く違うものですので細菌に効果のある薬でもウイルスには効果がありません。
また、厚生労働省が発行している抗微生物薬適正使用の手引きにも、感冒症状に抗生物質投与を行わないことを推奨していると記載があります。
ただ、細菌感染の風邪もありウイルスに感染した後、喉の炎症などが細菌によっておこる場合もあるため、医師が診察して抗生物質を処方する場合もあります。
そのため、風邪に抗生物質が全く意味がなく間違っている ということではありませんのできちんと医師に診断してもらいましょう。


今回のまとめ
- 細菌とウイルスは全くの違うもの
- 抗生物質は、ウイルスに効果がない
- 風邪でも抗生物質が使われる場合もある